【高齢猫の抜歯】雑種猫 18歳5か月

【高齢猫の抜歯】雑種猫 18歳5か月

顔面が腫れ、頬から膿が出ていると来院されました。

これは外歯瘻という歯周病の症状の一つです。

歯が悪いことが原因で頬の骨が解けて穴が開いてしまっています。

薬を使っていったん腫れをを引かせることは可能ですが、根本的な治療にはならず、全身麻酔をかけて歯を抜くほかありません。

かなり高齢かつ手術前の検査でやや腎臓の数値も悪く、全身麻酔のリスクはあるものの、このままではご飯も食べられずに衰弱してしまうことは目に見えています。ですので麻酔のリスクをなるべく避けるために短時間で処置を行うこととなりました。

【手術直前の様子】

 

頬の毛を刈ると大きな穴が開いていることがよくわかります。原因は上顎のいちばん大きな歯とその前にある歯の2本です。

【術後の様子】

原因となる歯を抜きました。プローブという器具が貫通し、歯と頬の穴が繋がっていたことがわかります。

【術後2週間後】

やや見づらいですが、抜歯による穴は順調にふさがりつつあります。なお、写真はありませんが頬の穴も無事にふさがってきています。

手術による貧血や腎機能の悪化も心配しましたが、特に問題なく無事経過しています。

また、術後は食欲が増え、初回来院時は3.42㎏だった体重が術後2週間後には3.68kまで増加しました。

この年齢になると体重を増やすことはなかなか困難ですが、歯の痛みがなくなり、美味しくご飯が食べられるようになったものと思われます。

今後は術前の血液検査でわかった腎機能の悪化について食事療法等を継続していただていきます。

治療前

外歯瘻の原因となっている歯を抜くことで頬の穴もふさがっていきます。この歯では当然痛みがあったと想像します。

治療後

抜歯後食欲の増加と体重の増加がみられました。
再びおいしくご飯がたべられるようになってよかったね。