【根尖膿瘍】5歳7か月 (トイプードル)
【根尖膿瘍】5歳7か月 (トイプードル)
歯周病が気になるということでご来院されました。
5歳7か月とまだまだ若いですが、視診で上顎の切歯(いわゆる前歯のこと)が歯槽膿漏になっているのを確認し、全身麻酔下での処置をお勧めしました。
こちらが全身麻酔下での写真です。
歯石はついていないわけではないものの、ぱっと見ほとんど気にならない程度です。
これだけ見ると歯周病もあまり酷くないように思えます。
ですが、見た目ではわからないのが歯周病の怖いところ。
この緑で囲っている部分のレントゲンがこちら。
歯茎の中、歯の根っこの部分に黒い空洞が見えます。
実はここに膿が溜まっています。
歯の根っこの部分で腐っているので、これを放置すると歯周病の悪化だけでなく血管を通じて全身に細菌が巡り、腎臓や心臓にも悪影響を及ぼします。
他の歯に関してもところどころ歯茎の退縮や腫れぼったさが見られ、歯周病が進行していることがわかります。
「歯石が着いてないから歯周病ではない」は間違いであることがよくわかる症例です。
治療前
先述の通り、見た目ではあまりわかりませんが、一番奥の歯は根っこに膿が溜まっています。治療後
数本、抜歯処置を行いました。また歯石除去とポリッシング(歯の表面を滑らかにする処置)を行ったので歯がツルっときれいになりました。
まだ若いこともあり、生かせる歯はなるべく温存しました。